[日産サニー事件]


 斉藤嘉照さん



====事件の概要====

 1967年10月27日未明、福島県いわき市の日産サニー福島販売株式会社いわき営業 所で、宿直をしていたHさん(29歳)が刺殺され金庫内の現金が奪われた。

 翌年4月27日に別件の窃盗容疑で緊急逮捕された斉藤嘉照さん(当時30歳)が本 件の犯行を「自白」、強盗殺人容疑で再逮捕、起訴、公判となった。

 斎藤さんは第一審の途中から本件の犯行を否認したが、福島地裁は「無期懲役」 を判決、その後の控訴および上告もそれぞれ棄却となり有罪判決が確定した。

 1988年に仮出獄となった後の再審請求が福島地裁で認められ、1992年3月に”再 審開始”の決定が出された。

 しかし、検察側の即時抗告により審理が行われた仙台高裁は、1995年5月に再審 開始決定を取り消し。最高裁も、高裁の判断を追認する形で、1999年3月に特別抗 告を棄却した。






#####視点#####
”詳しすぎる”供述 - - - 「蛍光灯は20ワット」

 斎藤さんの「自供」には、不自然に”詳し過ぎる”内容がかなりあるという指摘 がなされており、取り調べ官の”誘導”によるものである可能性が強いとも言われ る。

 例えば、「宿直室には20ワットの蛍光灯があった」という供述が記録されている のであるが、強盗に入った現場で、その様な細かな事を覚える人がはたしているの であろうか?

 蛍光管としては15ワットのものや30ワットのものなどもよく用いられており、そ の様な事に特別興味のある人以外には、蛍光管のワット数などは、管を器具から外 して確認してみなければ分かるはずもないのではないだろうか?

 この件の他にも、暗闇の中での侵入であるにもかかわらず「(有刺鉄線が)10セ ンチメートル位の間隔で3段になっていた」とか、建物の位置関係の詳細が分かっ ていたという特段の理由もないのに「枕は道路の方で、つまり東枕でした」とか、 詳し過ぎる供述がいくつも存在するのである。






((( 略歴 )))
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 1967.10.27---Hさん殺害される                             
 1968. 4.27---斎藤嘉照さん別件の窃盗容疑で緊急逮捕される   
       5. 8---強盗殺人容疑で再逮捕                         
       5.29---強盗殺人罪等で起訴                           
       7. 1---窃盗罪等で追起訴                             
 1969. 4. 2---第一審判決(福島地裁)・・・ 無期懲役           
 1970. 4.16---控訴審判決(仙台高裁)・・・ 控訴棄却           
 1971. 4.19---上告審判決(最高裁)  ・・・ 上告棄却           
 1988. 4.30---仮出獄                                       
       7.18---再審請求                                     
 1992. 3.23---再審開始決定(福島地裁)                     
 1995. 5.10---再審開始決定を取り消し(仙台高裁)           
 1999. 3.  ---特別抗告を棄却(最高裁)                     
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戦後の主な事件

冤罪事件関係データベース