[丸正事件]


　李得賢さん
　鈴木一男さん



====事件の概要====

　1955年５月11日から翌日にかけて、静岡県三島市で営業していた『丸正運送店』 の女性店主・Ｋさん（33歳）が絞殺された。警察は、犯行時刻頃同店付近にトラッ クが停まっていたという証言により、トラック関係に捜査を集中し、事件当夜、沼 津市から東京へ向かっていたトラック運転手・李得賢さん（当時42歳）、助手・鈴 木一男さん（当時34歳）を容疑者として逮捕した。
　李さんは終始犯行を否認、鈴木さんはいったん「自白」したが公判廷において全 面的に否認した。

　第一審の静岡地裁は、李さんに「無期懲役」、鈴木さんに「懲役15年」を判決。 東京高裁への控訴および最高裁への上告はいずれも棄却となった。

　その後、鈴木さんは満期出獄、李さんも仮出獄となり、以降も再審請求により、 ”無実”を訴えていたが、審理途中の1989年には李さんが、1992年には鈴木さんが 亡くなり手続き終了となった。




#####視点#####
無実の裏付け - - - 新鑑定

　再審弁護団は、静岡地裁に、事件被害者の死亡時刻に関する新鑑定を提出した。 原判決に於いて被害者の死亡推定時刻は「５月12日午前１時50分〜２時50分の間」 と認定されていたのに対して、２つの新鑑定は、おのおの、「５月11日午後９時30 分から12日午前０時の間」「11日午後10時前後から同日11時50分の間」と、ほぼ一 致した結論を出している。

　これらの新鑑定による死亡推定時刻の間、李さんは会社の仮眠所で、鈴木さんは 自宅で寝ていた事がはっきり証明されている。つまり、これらの新鑑定によれば、 二人の無実が証明された訳である。 




((( 略歴 )))

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 1955. 5.11---（〜翌日にかけて）Ｋさん殺害される           
       5.29---李得賢さん逮捕される                         
       5.30---鈴木一男さん逮捕される                       
       6.22---強盗殺人罪で起訴                             
 1957.10.31---第一審判決（静岡地裁）･･･ 無期懲役(李さん)   
                                       懲役15年(鈴木さん)  
 1958.12. 9---控訴審判決（東京高裁）･･･ 控訴棄却           
 1960. 7.19---上告審判決（最高裁）  ･･･ 上告棄却           
 1963.12.26---再審請求                                     
 1974. 4.25---鈴木さん満期出獄                             
 1977. 6.17---李さん仮出獄                                 
 1982. 1.28---再審請求棄却（静岡地裁）                     
 1986.10.13---即時抗告棄却（静岡高裁）                     
      10.18---最高裁へ特別抗告                             
 1989. 1. 2---李さん死去                                   
 1992.12.27---鈴木さん死去                                 
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戦後の主な事件

冤罪事件関係データベース