[道庁爆破事件]


 大森勝久さん



====事件の概要====

 1976年3月2日午前9時頃、北海道札幌市中央区内にある北海道庁のロビーで爆 発が起こり、道庁職員の2名が亡くなり、多数が負傷した。
 現場検証により爆発物は時限式消火器爆弾と推測されたが、同日に地下鉄のコイ ンロッカーから発見された「犯行声明」などから「反日闘争」を進めているグルー プまたは個人の線で捜査が進められ、大森勝久さん(当時26歳)が逮捕されるに至 った。
 大森さんは、取り調べに対しては黙秘を貫き、公判廷においては一貫して犯行を 否認し続けた。

 第一審の札幌地裁は、事件前に現場近くの路上で2人連れの男を見たという「目 撃証言」等により犯行を認定し、「死刑」を判決。
 札幌高裁への控訴および最高裁への上告は、いずれも棄却となった。

 第1次再審請求・第2次再審請求は、いずれも棄却。

 2019年2月に札幌地裁に対して第3次再審請求が行われたが、2021年12月17日に 請求が棄却された為、同月20日に札幌高裁に即時抗告。






#####視点#####
真実はいずこ - - - 「目撃証言」

 ”決め手の証拠”と言い得るものが存在しないこの件において、第一審裁判官が 「有罪判決」の最大の拠り所としたものは、なんと言っても「目撃証言」であると 言える。
 しかし、この「目撃」を100%正しい記憶であると言い切る事ができるかどう か、極めて大きな”疑問”であると指摘され続けている。

 事件が発生していない段階において、”単に近くを通っただけ”である記憶にお いて、その時点においては一面識もない無関係の相手を明確に覚えているものであ ろうか。
 第一審公判廷において、その証人の”あやふやな証言態度”が、注目して眺めて いる傍聴人等により”目撃”されているというのも、また事実なのである。






((( 略歴 )))
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 1976. 3. 2---北海道庁爆破事件発生(2名死亡)             
       8.10---大森勝久さん逮捕される                       
       9.23---本件で起訴                                   
 1983. 3.29---第一審判決(札幌地裁)・・・ 死刑               
 1988. 1.21---控訴審判決(札幌高裁)・・・ 控訴棄却           
 1994. 7.15---上告審判決(最高裁)  ・・・ 上告棄却           
 2002. 7.30---第1次再審請求 ==> 棄却                
 2013. 1 23---第2次再審請求 ==> 棄却                
 2019. 2  8---第3次再審請求                          
 2021.12 17---請求棄却(札幌地裁)                    
 2021.12.20---札幌高裁へ即時抗告                      
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戦後の主な事件

冤罪事件関係データベース